本文へスキップ

中東・アラブ首長国連邦を観光、商業をする人の為のUAE総合ガイド


UAE人の本音


ここ数年、多くの日本企業の中東進出が目立つようになってきました。しかし、知られていないのは進出しても成功できずに撤退する企業も少なくないということ。ドバイを中心にしてアラブ社会でのビジネスを成功させようとしているのであればアラブ人の考え方を知らなければ成功することができません。

そこで、UTGは不定期ですが、アラブ人の日本に対する本音を聞いてみました。

第4回目は在住日本人の間でもよく知られているドバイ出身のアハメッド・ブカシュ氏へのインタビューです。アハメッド氏は学生時代に京都での留学経験があり現在はアーキデンティティーと言う建築設計事務所を構える創設者、兼建築家です。留学経験があることから日本を知るUAE人の一人です。


UTG: 今回はインタビューを受けてくださってありがとうございました。
アハメッドさん:もちろん問題ないですよ。

UTG: 早速なのですが、アハメッドさんが覚えている限りの日本との最初の接点は?
アハメッドさん:一番最初ですか?中学生くらいの頃ですかね。「グレンダイザー」って知ってますか?それと「TSUBASA」。この2つが日本との最初の関わりですね。

UTG: え?!グレンダイザー!?!?それは何ですか?TSUBASAとはもしかして「キャプテン翼」のことですか?
アハメッドさん:そうそう。日本では「キャプテン翼」ですよね。アラブではキャプテン・マジッドに名前が変わってましたが…グレンダイザーはこれですよ。 (といって画像を見せてくれました)

UTG: 男の子が見るようなアニメなんですね。...ということはアハメッドさんの最初の「日本」はアニメだったってことですか? 
アハメッドさん:はい。そうなんです。今はもう見ないですけどね。

UTG: 大人になったから見ないってことですか?
アハメッドさん:いや、それもあるけれど、以前とちがって今はアニメもコンピューター化されてるじゃないですか。昔のあの人の書くタッチが大好きだったのに今はすべてコンピューター化されて味のないアニメが多くなってしまいました…前のほうが人間味があってとてもアニメがよかったように感じます。

UTG: 日本のアニメを知ってどう思いましたか? 
アハメッドさん:本音を言ってグレンダイザーが日本のアニメだとは知らなかったんです。だから僕にとって日本を知ったのはキャプテン翼だと思いこんでましたね。アニメなのにあの繊細さや本物のような動き、夢を見させてくれるところ、自分が本当にそこにいたような気になりましたね。あのアニメに引き込まれてしまいました。

UTG: アハメッドさんは日本に留学した経験があると聞きましたがそれまでの経緯は?
アハメッドさん:話は長くなりますが…2000年〜2005年に建築学を勉強しにアメリカに行ったんです。そこで日本人の友人ができ、その友人から日本の建築についての本などを見せてもらいました。その時から「安藤忠雄」さんの作品に魅了され日本の文化を知りたいと思うようになり、知らぬうちに日本に目が行くようになっていました。その頃、ボストンで有名だったマルシェというアジアレストランによく連れて行ってもらい、初めて寿司を食べた時にグリーンソースをたっぷりかけるのだっと言われ、あまりの辛さにに泣いてしまったことを思い出します。笑 そうなんです。わさびだったんですよ〜。 アメリカで当時、同時多発テロ事件があったことから、修士号の勉強をアメリカで続けることができなかったので、オーストラリアの大学に行きましたが、オーストラリアにいても日本の建築学を学びたくて、ずっとUAE政府を通じて日本への留学希望の申請をしてもらっていました。そして、とうとうその日がやってきて、日本に行くことができたんです。

UTG: 日本への留学申請とは結構大変なものなのですか?
アハメッドさん:そうですね。日本の文部科学省は当時UAEから年間2人の留学生しか受け入れなくてオーストラリアでプロジェクトマネージメントの勉強をしながら、次の審査を待つような状態でした。審査に通るとすぐにドバイに戻らねばならず...ドバイに戻って3か月間の日本語クラスを取り日本語の勉強をしました。政府に日本に関する論文を提出しなければならなかったので私は尊敬をする安藤忠雄氏と世界で最も尊敬される建築家の一人、丹下健三氏についてのリサーチをし、論文にまとめました。

UTG: 日本に行ってからはどんな感じでしたか? 
アハメッドさん:京都大学内で日本語の試験をうけなければならなかったのですが1年間日本語を勉強し試験に通ることができました。その後、2年間京都工芸繊維大学の大学院で建築学について学びました。

UTG: 日本の生活はいかがでしたか
アハメッドさん: 本当に充実して素晴らしいものでした。安藤忠雄氏や丹下健三氏の作品を見て回ったり、京都の大学院だったので、桂離宮や銀閣寺など多くの昔からの建物を見たり、本当に素晴らしい日々でした。私の中では日本を見ている時いつも「UAEでは何ができるんだろう」ということが頭から離れませんでした。素晴らしいテクノロジーや伝統・文化を持っているこの「日本」と言う国から何を学んでUAEでどうやって役に立てられるだろうということがいつも年頭にあったんです。

UTG: 「UAEで何ができるんだろう」と考えていた時、実際に「UAEでできる!」っと思ったこととかありましたか?
アハメッドさん:たくさんありましたよ。本音を言って日本よりさらによくなるかも...と思いました。日本はいい意味でも悪い意味でもマニュアル化していることが多いんです。簡単に言えばレストランとかに言って「これは食べれないので抜かしてください」とお願いしても「申し訳ないのですがそれはできません」と言われることが多々あったんです。マニュアル通りでないものは拒否されてしまうんですよ。でもUAEはヨーロッパやアフリカ等世界中から人が来ている為、そういったところはとても柔軟に接してくれることが多いのです。。だから日本のすばらしさと他の国の柔軟な考え方を取り入れたら、UAEは日本以上の素晴らしい国になるのではないかと思っていました。

UTG: 日本にいて大変だったこととかありますか?
アハメッドさん:もちろんありましたよ。特に食べ物に関しては大変でした。レストランなどでどの食べ物に豚エキスやアルコールが入っているかがわからないのですから。お店の人に聞いても、彼ら自身もわからないってことが多かったので、日本ではうどんやそばばかり食べていました。うどんとかでも中のだしや調味料などに何が入っているかを確認しながら食べていましたね。モスバーガーの「ライスバーガー」にもお世話になりました。笑 シーフードは基本大丈夫なのでたこ焼きとかもたべましたね〜。よく。でもその上のマヨネーズが大丈夫か…とかも気をつけてたので、一番大変だったのは食べ物でした。

UTG: 留学を終えてから建築士としてこのオフィスを立ち上げて、どうですか?
アハメッドさん:日本で学んだことは本当に今の自分に役立っています。現在も日本人建築家の友人といろいろと話したり仕事をしたりしていますから日本とは全く切れていません。むしろ、UAE人と話すよりいいと思うときもあるくらい...結構の頻度で日本にも仕事や旅行で行きますし。

UTG: なんだか、とっても日本を好きになってくれているようですね。話は変わるのですが、ここ最近、多くの日本企業さんが中東・ドバイへ進出したいっと思っている人が多いように思えますがどう思いますか?
アハメッドさん:日本人は勘違いしているんですよね。せっかくたくさんの良いビジネスの商品・アイディアがあるのに、私達アラブ人に話や商品を持ってきて、投資をしてほしいという人が多いです。自分たちで商品などを持ってきて売るというリスクを全く背負わずこっちに投資してもらって儲かればよいっと安易に考えている人が多くいます。せっかくたくさんの商品・アイディアを持っているのにもったいないです。アラブ人は日本人が思っている程簡単に物事を決めたりお金をポンっと出す人たちではないのに、勝手な思い込みで私達がお金持ちでなんでもお金を払ってくれると思い、どんどんアイディアだけを出し続けるんですよ。

UTG: 最近日本系の様々な店が出展していますがどう思われますか?
アハメッドさん:あるパン屋さんはうまくいってると思いますよ。日本のパンをそのまま持ってきている形なので私たちも完全な日本スタイルと味などに満足してます。でも、残念なことにアラブに来たから...と言ってせっかくの日本の良さを捨ててアラブ風の味に変えてしまう店とかも増えていて…そんなことするなら、アラブ人は反対に行きたくなくなりますよね。日本の商品、日本の味だからこそ私たちは購入したいって思うのに…100%日本!って感じで売ってもらいたいって思いますね。

UTG: 日本をよく知るアラブ人のアハメッドさんから見て日本人の悪い所ってなんだと思いますか?
アハメッドさん:海外に暮している日本人はとても自分自身を持っている人が多いのですが、日本にいる日本人は枠にとらわれている方が多いと思います。会社の枠、家族の枠、友情の枠など。その枠から外れるといけないような社会になってしまっているような気がしています。それが文化・習慣なのだと思うので国内にいるのであればそれはそれで良いのでしょうけれど海外に出るのであればその枠を取っ払ってしまわないと何も始まらないんです。

それと...悪いところはすぐに日本のメディアに左右されることですかね。日本のメディアは視聴率が上げるようにと大げさに言ったり話を少し変えてしまう傾向があるように思えます。そういったメディアに左右された間違った考えをもって中東に来ようとする傾向もあって、とても危険だと思います。

UTG: 最後なのですが、このウェブサイトをみてくださっている日本人の皆さんへ何かメッセージはありますか?ビジネスに関してでもプライベートな意見でもなんでもいいですよ。
アハメッドさん:商品とかアイディアだけを持ってきて「売ってください」なんて言うやり方は絶対にうまくいきません。うまくいったとしても小さい世界でのみの成功(例えば中東の日本社会のみ)。本当の成功ではないのです。きちんと自分の足でこの地に腰を下ろし、オフィスを持ち、アラブ人達、そして多国籍のこの町で文化や伝統を学び、きちんとした関係性を作るべきだと思います。日本の商品は日本で成功しているものはどんなものでも絶対に成功するとおもいます。時間がかかるかもしれませんがちゃんとアラブ世界を理解すれば成功の鍵が見えているのです。UAEの人たちの間では「日本と言う国」と言うよりも「日本という宇宙の星」と呼ばれるくらい他の国の商品やサービスなどとは違った独自のすばらしさを持っています。アラブ風に変えて販売する...とかではなく、自信を持って日本のすばらしさをアラブに広めてほしいと思います。


業種的に日本のビジネスマンが一緒に仕事をするような方ではないですが、日本をよく知る方だからこそ、大好きな日本には成功してほしいと言っているように感じました。日本人は地に足を付け、商品などに誇りをもって時間をかけたら成功は見えていると言ったアハメッドさんの言葉がとても印象的でした。日本の皆様、UAE人の本音はまだまだ続きます。いろいろと学び取って成功への道へ進んでください。


*アハメッドさんと連絡を取りたい場合、ここまでご連絡いただければ、本人に転送をいたします。





アラブ首長国連邦
現在の時間

Supported by